月別アーカイブ: 10月 2013

アッコルさん

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著者 : サーでグ・へダーヤト

翻訳家 : 甘味屋

PDF:   アッコルさん

safar-ba-totiii

アッコルさん

シーラズの住民なら、誰でもアッコルさんとロスタム兄さんが敵対しているということが分かっていた。ある日、アッコルさんはドミル喫茶店でのんびり腰を下して、指の先でシロップの青い椀にある氷を回していた。その時ロスタム兄さんは喫茶店入って、軽蔑的な視線で彼を見た。手をベルトに付けたまま、彼の前の席に向かって、着席した。そして、喫茶店の使用人に「おい、こ…こ…小僧、お茶持って来い」と注文した。アッコルさんは意味のある視線でその使用人を見ると、彼は兄さんの注文を無視した。銅のトレイにあるコップ水の鍋の中に洗って、タオルで拭っていた。

ロスタム兄さんはその態度で頭に来ちゃって、「ろ…ろ…ろう者かよ、て…てめぇに話してんだ」と怒鳴った。使用人は迷った微笑でアッコルさんを見ると、ロスタムさんは歯の間から「は…は…はったりしてる野郎が…男なら、こ…こ…今夜来て、腕を比べてみるは…はずだ」と付け加えた。

アッコルさんは氷を回しながら、下目で状況を見て、そして大胆に笑いを出し、「卑怯が脅すだけだろう、誰が男なのか、誰が話すことぐらいもできないのか決まっとるな」と小鹿色の鬚の下に一行の真っ白な歯が見えるように言ってやった。

そう言うと、みんな笑い出した。ロスタム兄さんの吃りに笑うのではなかった。アッコルさんは白いお凸の牛のように街中に有名で、どんな暴漢でも彼にやられたことがあった。毎晩、ユダヤ人のエス八ッグ爺さんの家に酒を飲むと、ロスタム兄さんは容易い御用…ロスタム兄さんの先祖様も彼にやられていたはずだ。それはロスタム兄さんは自分でもよく知っていることだった。なぜなら彼は二回アッコルさんに傷つけられ、胸に座られることも三四回あった。数晩前、ロスタム兄さんが暴れていたとき、アッコルさんがやって来て、彼をひどく馬鹿にしたんだ。

「なあ、ねぇちゃん、旦那がいないのかい?そのアホなつらを見ると、ずいぶん麻薬をすったようだな…猿の真似の時代は終わってるんだよ…恥ずかしくねぇのかい、てめぇ…これも物乞いの新しい技かい?毎晩、住民の帰る道を塞ぎがって…二度とこんな真似をしたら、てめぇの鬚を燃やしてやるとプリヤ・イエ・ワリ*に誓うぞ…この刃物で真っ二つにしてやる」

ロスタム兄さんは逐電したが、その時からアッコルさんを恨んで、復讐の機会を待った。

一方、シラズの住民は皆アッコルさんが好きだった。なぜかというと、彼は縄張りのサードズダック街に子供や女性に手を出さず、逆に皆と優しく扱って、もし運命の悪い誰かが女性を馬鹿にしたり、人を脅したりしていたら、生きていてアッコルさんの縄張りを出られるはずがなかったのだ。彼は人助けをすることやお金を取り戻さないこと、そして人の荷物を持ってやることもよくあった。

しかし、彼は自分の上に人が立っていることを見る目がなかった。特に毎日何匁も麻薬を吸って、汚い真似ばっかりするロスタム兄さんを自分の上に見る目がなかった。喫茶店にああ屈辱されたロスタム兄さんは蛇毒宮のように座り、鬚を齧って、包丁で刺されても、血が全然出ないはずだった。数分後、とうとう爆笑が静まったとき、平凡な村っぽい服を着ている使用人はまだ狂ったように笑っていた。ロスタム兄さんは頭に来ちゃって、そこにあったガラスのシュガーボウルを手に取って、彼の頭に投げた。でも、シュガーボウルはサモワールに突いて、サモワールと上にあった急須が落ちて、いくつのコップが壊れた。ロスタム兄さんが立ち上がって、真っ赤な顔で喫茶店を去っていった。喫茶店の持ち主は悩んでる顔でサモワールを見て、「ロスタムと一つの武器のセット、わしらと一つのサモワール**」と言った。

彼は悲しそうな声で発言したが、ロスタムの名前は諺に出たから、爆笑がまた上がった。喫茶店の持ち主は使用人をおしおきしようとしたが、アッコルさんは微笑みながら、一つのお金袋を出して、そこに捨てた。

喫茶店の持ち主はそれを取り、手で量って、微笑をした。そこで、ベルベットのコートを着て、緩いパンツを履いている男が喫茶店に入ってきた。周りに目をやり、アッコルさんに向いて、挨拶をした。そして…

「サマッド爺さんは亡くなりました」

アッコルさんは顔を上げて、「神様が全てを許しますように」と言った。

「遺言を残したと御存知じゃないんですか?」

「俺は死人食い***じゃないんだ、死人食いらを呼べ」

「それは…あなたが代理人として選ばれたのです…」

それを聞いたアッコルさんは目を覚ましたように彼を頭から足まで見て、自分のお凸を触った。すると、帽子が後ろにずれて、彼の二つ色のお凸が見えた。半分は日焼けになっていて、いつも帽子の下にある半分は白かった。頭を振るい、パイプを出した。徐々にタバコをパイプに入れて、親指でタバコを整えた。そして火を点けて、「神様が爺さんに全てを許しますように…やったことで、仕方がねぇ…しかし、俺をこんな目にあわせるのは酷いぜ…よし、お前は先に行け、俺もすぐ行く」と言った。

サマッド爺さんの家来だった人は喫茶店を出た。

アッコルさんは眉をひそめて、パイプを吸っていた。急に喫茶店の笑いの雰囲気は暗い霧に溢れたようだった。アッコルさんはパイプの灰を捨ててから、立ち上がって、喫茶店を出た。

彼はサマッド爺さんの玄関に入ったとき葬式は既に終わって、ただ何人の司会者が値段交渉をしていた。アッコルさんは数分庭の池のそばに待ってから、広い部屋に案内された。家の奥さんはカーテンで隔てられた部屋にいて、アッコルさんは彼女の挨拶してから、座布団に座った。

「奥さん、御無事にいますように、神様は子供さん達をまもりますように」

「爺さんが心臓発作したその夜は、街の法師を彼のそばに呼んだのです。そこで、爺さんは諸君の前にあなたが自分の代理人だと述べました。前から主人をご存知だったでしょう?」

「五年前、カゼルンの旅にお爺さんのお目にかかりました」

「主人はいつもこう言っていました。この世に男は一人だけいるのだとしたなら、その一人はアッコルさんです」

「奥さん、我は自分の自由より好むことはありません。しかし既に責任を負われたので、必ず責任を果たすとこの太陽の光に誓います」

そこで、太陽の光を示すとき、別のカーテンの間から魅力的黒い目をしている娘の血走った顔が見えてしまった。お互いの目をじっと見るのは一分もならなかった。その娘は照れたようで、去ってしまった。彼女は奇麗だったかな?

その子はマージャン、サマッド爺さんの娘で、代理人になった街の騎士を見るために来ていた。

アッコルさんはその翌日から、勤めを始め、賢い中古品の商人や二人の兄貴、一人の秘書を連れてきて、あった物の価格を全て慎重に測った。要らない物を貯蔵室に置いて、そのドアを閉めて、封印をした。売るべきものを売った。住宅ローンになっている家のローンを払った。これは全て二日二晩しか掛からなかった。第三晩はくたびれたアッコルさんは八ジュガリブ交差点を歩いて、家に帰っていた。途中、エマムゴリと会って、彼は「ロスタム兄さんがあなたを待っているのは二晩もなってますよ。昨日、(アッコルさんも待たしくれるじゃねぇか、約束を忘れて、来ないかもな)と言ってましたよ。」と言った。

アッコルさんは鬚を撫でて、「無視することだ」と言った。三日前、喫茶店でロスタム兄さんに挑戦されたことを覚えていたが、相手の性格をよく知って、エマムゴリと彼は手を組んで、彼を陥れるつもりだということを見破っていたから、エマムゴリの言葉に注意せず、歩き続けた。家に着くまでマージャンのことをばかり覚えだされ、どんなに考えないことにしても、無駄で、逆に彼女の顔が目の前に見えていた。

アッコルさんは三十五歳のがっしりした男だったが、あまり醜かった。初めに彼を見ると、嫌になっていたが、一度さえ彼のそばに座って、彼が語る冒険や思い出を聞けば、とても気に入っていた。彼の顔にある刃物の傷跡を無視ずれば、ノーブルで好ましい顔に見えていた。鹿の目、黒い眉毛、広い頬、細い鼻、そして真っ黒な鬚。でも、傷跡はその顔を損なっていた。刃物に切られた頬やお凸にの傷が歪んで治り、傷跡の溝に赤い肉がちらちらと輝いていた。彼の父はファルス地方****の偉い土地所有者の一人で、彼は死ぬと、アッコルさんは相続者として彼の富の全てをもらった。しかし、若い彼はお金に興味がなくて、力や騎士道を目指しながら、人生を送ってきた。それしか何も欲しくなくて、お金を物乞いに上げたり、強い酒を買って、飲んだり、あるいは居候のような友達と宴をしたりしていた。

彼の短所と長所の全てはこれだけで、驚くことに彼の人生に恋というものがいっさい入っていなかった。友達が変なパーティをしたり、女を連れたりした何回も、彼は拒んでいた。しかし、サマッド爺さんの代理人になって、マージャンを見てしまった日から彼の人生は大きく変った。一方、彼は死んだ人に任された責任を感じて、他方、マージャンに惚れていた。自分の富を燃やしてやった人は、毎日サマッド爺さんの富を増やすため頑張って、爺さんの家を借りるため、彼の家族をもっと小さい家に引越しさせて、彼の子供に教師を雇って、彼のお金を儲かるように投資していた。

その時からアッコルさんは夜の冒険や縄張りを作ることを止めた。友達と楽しむこともせず、彼の熱狂さが消えた。しかし、街のしたっぱや兄さんたちは、もうサマッド爺さんのお金を奪えなくなってしまった法師たちに唆され、アッコルさんを馬鹿にして、松下喫茶店で彼の悪口をしていた。

「アッコルさんだと?誰の犬かな?よく消えちまったぜ、サマッド爺さんの家の周りにいるらしい、何かを得ようとしてるだろう、サードズダックの街に着くとき、犬のように尾を脚の間に下がって、渡るぞ…」

彼を怨んでいるロスタム兄さんも吃りで主張していた。

「老いたくせに、よく狂ってるな、あの野郎サマッド爺さんの娘に惚れて、刃物を鞘に戻したんだぜ、恥を知らんのかね、サマッド爺さんの富をてめぇのものにしたらしい…」

もうアッコルさんは誰にも感心されなくて、どこに行っても、皆こそこそしゃべって、彼を馬鹿にしていた。アッコルさんは何と言われているのかあっちこっちで聞いていたが、気にしていなかった。なぜなら、既にマージャンの恋しか、何にも考えていなかった。

夜は悲しすぎて、酒を飲んでいた。一羽のインコを買って、鳥の籠の前に座って、インコに心の秘密を話していた。もし彼は結婚の仲介をしていたら、マージャンの母は必ず賛成してくれるはずだったが、彼は家族の責任に負われたくなくて、自由に残りたかった。それに、預かった娘を自分の妻にする何って、信用を裏切るという意味だと思っていた。おまけに、毎晩、鏡で顔の傷跡や目の下の黒ずみを見て、大声で悲しくこう言っていた。

「俺を愛せないだろうな…若くてハンサムな男が見つけられるんだものね…それに、卑怯だ…彼女は十四歳、俺は四十歳…でも、どうすればいいと言うのカイ?俺はこの恋で殺される…マージャン…君が俺を殺したんだ…これをいったい誰に言えるのか…マージャン…君の恋は俺を殺したんだ…」

目が涙で満ちていて、次々と酒のコップを飲み干していた。そして、頭が痛くなってそのまま眠っていた。

しかし真夜中は、迷路のような道、広い庭と紫色のワインを持っているシラズの町が眠るとき、乾留液のような夜空に星達がウィンクをしているとき、花色の赤い頬をしているマージャンが布団の中にのんびり呼吸しているとき、その時、真のアッコルさんは、感情や欲望を持っている自然的なアッコルさんは、彼を囲まれている社会というものの前に恥じなく、子供の時から信じさせられたものを出て行って、自由にマージャンを抱いていた。彼女の心臓の穏やかな鼓動や熱い唇、その柔らかい体を感じて、彼女の頬にチューをしていた。でも、起き上がったとき自分を罵り、人生そのものを呪って、狂った人のように部屋の中に歩いていた。こそこそ独り言をしゃべって、恋が静まるように一日をサマッド爺さんの財務の苦労過ごしていた。

七年間もこう経った。アッコルさんはサマッド爺さんの家族をしっかり守った。もしその家族の子供の一人が病気になっていたら、彼は一日中も夜も優しい母のようにその子供のそばにいて、お世話を見ていた。その子供達を愛していたが、マージャンへの愛は別のことで、その愛でそう穏やかで大人しくなっていたかも知れない。ここ数年に、サマッド爺さんの子供達はずいぶん成長していたのだ。

しかし、なってはいけないことになってしまった。マージャンに婚約者が出てしまった。それもアッコルさんより醜くて、年を取った人だった。アッコルさんは我慢して、眉をひそめることさえもしなかった。逆に平気な顔でマージャンの持参金を買いはじめて、素晴らしい結婚式を挙げた。サマッド爺さんの家族をまた自分の広い家に連れて、一番広いホールで男性の宴を催した。シラズの偉人や商売が全員結婚式に誘われていた。

その日、午後五時に、客がみんな部屋の回りに座って、彼らの前にお菓子や果物が置いてあった。アッコルさんは昔の格好と同じく新しい縞模様の黒いスーツを着て、ボルサリーノの帽子を被り、ホールに入った。帳面などを持っている三人も彼を沿ってきた。客達はじっと彼を見た。アッコルさんは堂々と法師のそばにいて、こう言った。

「法師さん、死亡した爺さんは遺言を残して、七年間も我に責任を負わせました。あのとき五歳だった爺さんの年下の息子は今十二歳です。この帳面も爺さんのビジネスの会計です(彼を沿った三人を指差して、言った)。今日までの経費もこの結婚式の費用も自分で払わせてもらいました。これで、責任を果たしました。我には我の道、彼らには彼らの道。」

こう言って、泣きそうになり、何も付け加えず、諸君の反応をも待たず、顔を下げて、目に涙が溢れてきたまま、そこを出た。家を出たとき、深呼吸をした。自由になって、責任を果たしてしまったと感じたが、彼の心に重傷が残っていた。のんびり道を歩くと、ユダヤ人のモラ・エスハッグの家が見えてきて、ためらいもなく、その家の階段を上って、周りは小さい部屋のドアがいくつもある汚い縁側に入った。古さやピクルス匂いが空気に漂っていた。キッパーを被って、ヤギひげ伸ばしたモラ・エスハッグは仮の笑みを顔に浮かべて、彼に向かってきた。

「頼むぜ、いい酒をくれ」とアッコルさんは元気なさそうに頼んだ。

モラ・エスハッグは頷いて、地下室に下り、数分後、一本の瓶を手に持って戻った。アッコルさんはその酒を取って、瓶の蓋を壁に打って、開けた。そして、一気にその半分を飲んだ。目に涙が出て、咳をした。汚い格好をしているモラ・エスハッグの子供は鼻水が流れるまま、開いた口でアッコルさんを見ていた。アッコルさんは手の裏で口を拭って、指を部屋の窓の前に置いてあっる塩の椀に押して、口に入れた。

「男は土の味をしとるんじゃのう」とモラ・エスハッグは前に出て、お世辞を言った。

そしてアッコルさんの服の中の布を触って、「何を着てるのかい?これは廃れるんじゃろうな、よろしかったらいい値段で買ってあげるわい」と言った。

アッコルさんは悲しそうに微笑んで、ポケットからお金を出し、彼の手の中に置いて、その家を出た。夕暮れだった。暑くて、考えはが悩みでいっぱいで、おまけに頭が痛かった。午後の雨で道がまだ濡れて、柑橘類の匂いが空気に漂っていた。マージャンの顔は、その花色の頬、黒い瞳や長い睫毛、そしてお凸の前に舞っている前髪は、アッコルさんの目の前に、霧状で妖しく現れていた。アッコルさんは自分の過去を覚えだした。友達とサーディやハフェズ*****のお墓を訪れたときを覚えだした。時には笑って、時には眉をひそめていた。自分の家が怖いということは確かだった。そこに帰るのは耐えられないことで、遠い場所へ行きたかった。今夜も股を酒を飲んで、インコと話をしようと思った。人生そのものは既に無意味なものに見えていた。つまらなくて、一つの歌を覚えだして、呟いた。

「鎖しかなにもない

囚人の徹夜を妬む」

そして、もう一つの歌を呟いた。

「我が心は狂って、鎖を持ってくるべきだ

狂ったものを鎖で縛るしかないのだ」

でも退屈したか、別のことを考えていたから、歌を止めた。

アッコルさんは久しぶりのサルドズダック街に着いたとき、既に夜になっていた。そこにある広場は、活躍していた昔アッコルさんは自分の縄張りにして、誰も近付ける度胸がなかった場所だった。無意識にある家の前にある石の台に向かって、そこに座り、パイプを出して、徐々に吸いはじめた。昔と比べれば、ボロボロになっているようだった。住民達も彼にとって、みんな変っていた。彼は変って、陥れたように。目眩がして、頭も痛かった。ふと、前に彼に近づいてくる黒い姿が見えた。

「く…黒い夜だけは、お…お…男の本音を知ってる」

アッコルさんはロスタム兄さんだと分かって、立ち上がった。手を腰に当てて、こう言った。

「てめぇの死んだ親父に言え…貴様って奴も自分を男だと言うが、硬い地面に小便してねぇんだよ*」

ロスタム兄さんは皮肉の笑いを出して、もっと前に進んで、「ひ…久しぶりじゃねぇかよ、こ…こ…今夜、サマッド爺さんの家に結婚式だろう、て…て…てめぇ誘われてねぇ…」と返そうとしたが、アッコルさんは「神が貴様をよく知って、舌、半分しかやらなかったな…その半分も今夜俺がもらうぜ」と言い切った。

と、自伝の短刀を出した。ロスタム兄さんも自分の短刀を出した。アッコルさんは自分の短刀を地面に突っ込むように下に投げて、「よぉし…これを取れる男が来い」と怒鳴った。

ロスタム兄さんはそのうち急にアッコルさんを襲ったが、彼の短刀は跳ねて行くぐらい強くアッコルさんは彼の手を殴った。その騒ぎで、知覚に行き来していた通行人が集まっていたが、誰にも前に出て、和解させるドキョウがなかった。

アッコルさんは笑って、「やれ、やれ、拾っても構わんぞ、だが今度しっかり握れ…なぜなら今夜、今までのをきっちんと返してやるからな」と皮肉した。

ロスタム兄さんは握った拳で彼に向かって、二人は格闘を始めた。三十分以上も格闘が続けて、二人はしとしとと汗をかいていたが、誰も勝っていなかった。格闘中アッコルさんの頭は石の台に突っ込んで、くらくらした。ロスタム兄さんは必死に戦っていたが、もはや限界だった。でもふと、そばにあるアッコルさんの短刀が見えて、懸命に力を入れ、それを地面から抜いて、アッコルさんの腰に突っ込んだ。二人の手にもう力が入らないぐらい強く刺した。

傍観者達は急いで、アッコルさんを上がらせた。彼の腰から沢山の血が地面に流れていた。彼は手で傷を塞ぎ、数歩壁のまで歩いたが、また落ちた。そこにいた人たちが、彼を上げて、家に連れていった。

翌朝、アッコルは刺されたニュースがサマッド爺さんの家に辿ると、長男のワリさんがすぐお見舞いに行った。彼の枕元に着くと、顔色が悪くベッドの中に寝て、口から血と混じった泡が出て、苦しく呼吸しているのが見えた。アッコルさんはほぼ意識がないその状況にも彼を見分けたらしくて、振るう口調で彼に声を掛けた。

「この世に…インコしか…持ってない…そいつのお世話…頼ん…に預け…くれ…」

そして、もう何も言わなかった。ワリさんはベルベットのハンカチを出して、涙を拭った。一時間後、意識のないアッコルさんは死んだ。

シラズの住民はみんな彼の死で泣いた。

ワリさんはインコの籠を家に連れた。

その日の午後、マージャンは籠を自分の前に置いて、インコの彩り、その曲がった嘴や感じのない丸い目をじっと見ていた。ふと、インコはアッコルさんの荒い口調で話し出した。

「マージャン…マージャン…君が俺を殺したんだ…これをいったい誰に言えるのか…マージャン…君の恋は俺を殺したんだ…」

マージャンの目から、涙が徐々に流れた。

おしまい

説明

*  昔々の超有名な力持ち(特に騎士道に忠実したらしい)

** 諺・「ロスタム」はロスタム兄さんのことではなく、大作品である「シャー・ナーメ」(「王署」という意味)の英雄のことだ。彼は一頭の馬や一つの武器のセットだけを持って、鬼達やイランの適どもを排除していた。

*** そのままペルシア語から訳した。相続をもらうため、死んだ人の葬式に参加して、なるべく死んだ人に親しかったふりをする人のこと。

**** シラズはその地方の一番広くて奇麗な町である

***** お二人も昔の著しい詩人である

* 悪い諺(理解するだけだ、使ってはいけない)・硬い地面に小便をしたら、その小便の滴は跳ねて、自分の服や靴を汚れてしまうんだろう。だから、この諺の意味は「お前は難しい状況にいないから、上手くできるんだ。難しい状況に対していないんだ。」ということだ。

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