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もらって、あげるな

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jamalzade

 

著者 : モハマッドアリ・ジャマルザデ

翻訳家 : 甘味屋

PDF: もらって、あげるな

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『もらって、上げないで』

 

 今、諸君に話をするのは、数年前テヘランで「守銭奴」というタイトルに印刷された、ある名戯曲の、フランス語からペルシア語への翻訳をいたした者だと御存知かも知れません。この戯曲は、フランスの、モリエールという高名がかねがねの劇作家のペンに書かれたのだ。来年、モリエールがなくなってから、ちょうど三百年になるとはいうものの、まだ彼の喜劇が万国に毎年も毎月も開催されている。モリエールが「守銭奴」にケチな人を見せ、その邪悪さを伝えようとしているけれど、私は彼の戯曲を翻訳するとき、個人的に同国人の中にケチな方を知っていて、フランス人の劇作家のケチを彼らに比べたら、寛大のハタムに見えることに気付いたのだ。その日以来、よくケチさについて考えて、「精神分析学」の創立者、オーストリア人の名心理学者、かのフロイトの著書も参考した。彼によると、ケチな人々は、生まれて、ベビーベッドの中に寝る頃からケチで、ウンコを譲ることさえしないのだ。これは本当かも知れませんが、私がこの現象の原因が分からなくて、いったいどうしてある人たちは理性が信じられないほどケチになってしまうんだろうと理解できなかった。一言で言えば、全体的に我がイランを含んだ東洋には西洋よりこういうケチな人が多くて、おまけにうちのケチたちは西洋のケチたちよりもケチだってことを確信したのだ。とにかく、今日は語り申し上げたいのは、自分の目で見たことです。

 同国人の中に、非常にケチで、徐々に巨大な富を手に入れていた知り合いがいた。彼に、とても信じられないケチなマネを見せてもらっていたのだ。たまに事実を率直に彼に言って、例を挙げると、ある日彼にこう言ったのだ。

 「お前が死んだら、碑文に、ここに眠る人は永い人生に二つの目的しかを追っていなかったのだと書くべきなんだ。その一は、なるべく安く買って、食わないこと。その二は、なるべく高く売って、貯金して、集まった資産のゼロをまた一つ増やしたことをを喜ぶこと。100トマンが1000トマン、100000トマンが1000000トマンになったんだって。」

 彼は笑って、「君たち詩人ら、自分の言葉で経典の民はね、お金持ちである快楽や喜びを知っていなから、そう言っているのだ。」と返していた。彼のケチさ(心理学が説明するどおり、そのケチさに切手も切れない欲望などという性質も付いていた)がそのまま悪化して、とうとう彼の愛息であるたった一人の息子が父と別居して、働きに外れた町に行ってしまい、父と息子は赤の他人になってしまったのだ。うちの老いたケチな友が病気になった日がやってきて、彼は人生初めてお医者さんを呼ばせたとも言いかねない。具合が非常に悪くて、もうすぐ帰れぬ場所に行くと彼は承知した。ちゃんと計算をしておいて、死んだら、どれだけの資産を後ろに残すか分かっていた。何百万トマンにもなる価額だった。

 彼は目を閉じて、低い声で「いっこくも早く来るように息子に電報を打ってくれ」と頼んだ。驚くことにそんな状態にも、周りの人が自分のお金で彼の息子に電報を打ってあげるのを期待していた。電報が打たれ、息子がやってきた。

 父は死に掛けていて、すさまじくケチで、死神に命を譲らないタイプだったので、臨終もずいぶん長くなっていた。彼は「わしの唯一の継続者である息子と二人きりで話をしたい」と言って、皆に部屋を出てもらったんだ。後で、息子さんが、彼に手を取られ、「悲しいのは、わしが去ってゆき、ありのように一銭一銭と貯金した資産を、お前は甘くて短い時期になくしたり、ずるがしこい奴らに奪われたりしてしまうってことじゃ」と言ったと言われた教えてくれた。「仲が良いと言えなかったのに、喉に泣きが詰まって、何も返せなかった。返す答えはなかったし」と息子さんは言って、こう続いた。

 「彼は、もはや生きている目に似てない目を半開して、私に恐ろしいと言いかねない妙な視線をやり、「わしの遺言で、お前に言う最後のことをゆったら、聞いてくれるかのう?」と聞いた。私は、聞くとも、と答えた。「息子や、わしはこの永い人生にいろんなもんを見て、経験が多いんじゃ。資産ってよいもんじゃ。資産の悪口をゆった奴らは、資産を知らぬだけだい。よく聞いておくれ、資産はよいもんで、それを得るには一つの方法しかないわい。盗みじゃないわ、誰でもできるまいからのう。その一つの方法ってのはこれじゃ。なるべくもらって、なるべくあげるいな」って。こう言って、もう何も言わなかった。死んでしまっていたんだ」

おしまい