月別アーカイブ: 4月 2014

仲間

標準

 

 

著者 : サーデグ・チュバック

翻訳家 : 甘味屋

PDF : 仲間

 

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仲間

 

二名が一名よりいい。なぜかというと、苦しみに対する為にいい報いに恵まれるのである。一名が落ちてしまうと、他の一名はまた立たせて上げる。しかし、独りになってしまったのは、しょうがあるまい。なぜなら、立ち上がりに手を貸してくれる者は無し。

「コヘレトの言葉」から

 

昔々、二頭の狼がいました。幼馴染の友だちで、獲物を手に入れると、それを一緒に食え、同じ洞窟に棲んでいたのだ。ある年、冬が忍耐辛くなり、狼達が飢饉に襲われるほどの雪が積もった。雪が止むのを待ち、数日を洞窟の中に過ごして、また狩りに行けるようになるまで前に狩っていた獲物の残りを全部食った。でも、雪が止まなくて、彼らは仕方なく狩りに原へ行った。が、どんなに探っても、食えるようなものは見つからなかった。雪は止みそうもなくて、おまけに日も暮れつつあった。寒さや飢饉のあまりに、狼達は進むことも帰ることも出来なくなってしまった。

もう歩けなくなった、その一頭は「村に出るしかないぜ」と言い出した。

「村に出るって、殴られ、潰される気?」

「麓にあるあの大きな畜舎がに行って、羊を一頭、誘拐して逃げるんだ」

「お前の頭がどうかしてるようだな、こんな雪の夜に畜舎が監視されないはずがないだろう、行くと、棒に潰されるんだ」

「あのね、お前は臆病なんだ、飢饉に苦しんでる奴はそんなことを怯むんじゃないぞ」

「親父さんがどう死んじゃったかを忘れた?素人な猫泥棒みたいに畜舎に這い込んで、やられたんだ」

「また父さんの話をしやがって、父さんに関係ないだろう、俺も貴様の親父の話をして、よろしい?ロバの生まれ変わりで、鈍間な人間に飼い慣らされ、村で鶏などの番犬をさせられて、最後に食い物をもらわなくなって、餓死して、くたばり、狼に恥を掛けやがったって忘れていないだろうね?」

「親父がロバの生まれ変わりじゃなかったんだ、それどころか狼の中で一番賢明だったぜ、今の時代でも人間が狼に信用していたら、俺だって人間と一緒に暮らすことにしたはずだ、人間って逞しい見方がいて、何が悪い?お前は村に出て、己の首を村の飾りにでもさせたいのなら、どうぞ勝手に」

「俺はもう駄目だ、歩けないぞ」

「へえ、マジでくたばりかかけているようだな、この体力のぶんざいで村に出るつもりだったのかい?」

「ああ、惨めに死にたくなくてな、息が残るかぎり雄らしく生きていて、我が獲物を人間の手から取り戻したかった」

弱まった狼は、こう言って、倒れ、動けなくなった。彼の仲間は、彼が倒れたのを喜び、回りを歩いたり、鼻面を毛の中に入れたりして、いくつのところを噛んだりもした。倒れた仲間は、友の行為に非常に驚き、「いったいなんの真似だ?どうして齧るんだ?」と苦しそうに行った。

「恥知らずな奴だな、今じゃなければ、友情がいつ役に立つと言うの?お前は大切な友のためにわずかにも献身しないと、馬の骨に過ぎないじゃない?」

「献身って?」

「お前はどのみち死ぬだろう。せめて己を俺に食わして、生き残らせてくれよ」

「俺を食う気?」

「ああ、お前じゃ、いいじゃないか」

「でも、俺たちもの長い間の友人だろう」

「だから献身するべきだと言ってんだ」

「だって、俺もお前も狼だろう、狼が狼を食う?」

「いいじゃない?今までそんなことがなかったとしても、俺が先次の世代も習うように駆者として始める」

「でもよ、俺の肉が死の匂いがするぞ」

「まったく、俺が餓死するところだよ、死の匂いって気になるものか?」

「じゃ、俺をマジで食う?」

「当然だ、食わない理由は無し」

「じゃ、一つだけ頼む」

「何だ?」

「俺が死ぬまで待ってくれ、俺が死んでから、好きにしろ」

「まったくお前という奴、どんなにお前にいいことをしても、恩知らずのままだな、俺は献身して、友情を見せるために貴様を死んでいないまま食うのだ、そうしなければ、お前の死体が余って、ハゲワシに食われると知らないのか?それに、お前が死んだら、肉が臭くなって、吐き気がする」

こう言って、狼は仲間の腹を噛み切り、肝と心臓を温かいまま飲み込んだ。

おしまい

 

結論・この話のお蔭で習うのは、菜食主義を選ぶ、あるいは腐った肉を食べてはいけないということです。

 

 

 

 

 

 

 

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なんか新しい話

標準

 

著者 : ファテメ・ナイェレ・デフガン

翻訳家 : 甘味屋

PDF : なんか新しい話

 

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なんか新しい話

 

 手か足を切断されていたら、構わないことで、打たれた榴散弾や弾も気になっていなかった。ボロボロな体で地雷原の真ん中に落ちていなかったかのよう。ハサンが呻くのを見ていた。

 弾が残るだけ討ちつづけていたのだ。どの方向にでもよかった。八方から、弾がやってきていたから。動くどころか、呼吸する力さえも残っていなかった。サッカーの後に、サッカー場のそばに座っていた時のようだった。友達の汗まみれの顔や喘ぐのを見て、微笑んでいた。尽力を尽くして、呼吸が収まると、唾で手を濡らし、肘や膝の傷に付いた砂を奇麗にしようとしていた。しようとしているだけだった。と言うのは、鋭い痛みを避けるため、傷を触れていなかった。傷の縁を奇麗にするばかりだった。

 あそこでも、傷に付いた砂利を奇麗にできなかった。ただクーフィーヤをもも脚の回りに包み、一手と歯で結んだ。クーフィーヤは血でびしょびしょになって、いよいよ出血が止まった。でもはさんの脚から血が流れていなかった。熱い榴散弾が血管の口を燃やしていたから。すりおろされた肉や皮膚が、血や砂利に汚され、破れたズボンを越えていた。彼は後ろの土壌に背を押して、うめき声を挙げていた。治まることはなかった。彼の前に僕が座っていて、我らの左側に通ってきた地雷原だった。

 勝負の後に、どれだけ疲労や傷を受けても、泣いてなかったということはいいところだったな。たとえサッカーをする間に、誰かを殴ったり、押したりをしても、喧嘩をしてしまっても、勝負がつくと、疲れたにも関わらず、気分が良かったのだ。帰る道に迷子になってしまうこともなかった。が、ここで、迷子になっていた。一人になってしまって。いゃ、一人ではなかった。我らが独りになっていた。僕とハサン。帰る道に、生きている人を見かけたことはなかった。

 いきなり弾丸は地と空を火で結び、自分以外何も見えない状況になった。誰もが避難しようと、ある方向へ走った。が、避難するところなんかどこにもなかった。立っていても、座っていも、同じで、地面か丘の上に備え付けてある銃の的だった。弾丸は地上一寸のところか頭上から途切れなくやってきていた。僕は溝の迷路を走っていた。この溝からあの溝へ、溝はみんな繋がっていた。蛇のように。足の下に何かあるかどうでもよかった。砂利、血、死体の柔らかさ、水筒の凸面、また軍需品の空の箱。僕はただ走っていた。と、弾丸は光っている赤い雹のように降っていた。大きいのがあれば、小さいのもあった。土と鉄の欠片が空に跳んで、落ちいてた。何処でも煙や火薬の匂いに溢れていた。

 僕はただ走っていた。ボールを追っていた時のように。まるで目を閉じて、二個のレンガの間しかが見えていなかった。ボールを撃つまで何も聞こえていなかった。撃つといつも的外れだった。ここでも、溝の両側の壁にしか気を配っていなかった。そして、いよいよ狩られてしまった。弾丸は、一つもも脚を、一つも腕を討った。溝の角に落ちた。

 彼らは夜明けにやってきた。暁が出たばかりだった。仲間達の体が見えていた。イラク人たちと見分けるのが簡単ではなかった。土が皆を同じく彩っていたから。一人が爆風のあまりに腰まで塹壕の壁に飛び込まれていた。溝の地面に死体が重なっていた。足音が聞こえてきた。うつぶせになって、顔を土に入れた。呼吸できるように、口の前の砂利を退かしたのだ。銃声が聞こえた。一発。彼は二三歩進んできた。二発。足音が近づいてきた。去っていったんだと安堵したところで、振り返ろうとしたが、ざわめく音がした。また体を動かずにした。半開の目でハサンが見えた。手が足の代わりになっていた。跳んで、足の残りを前に引っぱっていた。僕のそばにつくと、僕はため息をついた。彼はふと後ろに飛び込んだ。

 くたくたで汗まみれになった二人が、お互いを見た。「行こう」とハサンが言い出した。

 「どこに?」と僕が聞いた。

 「後ろに」と彼は言った。

 と、家に帰る道が分からないということに気付いた。何処から来たんだろ。夜で、周りが見えていなかった。ハサンは帰る道を知っていると言った。僕は一手が完全に無感覚になっていて、痛んでも、動いてもせず、不随意に吊っているだけだった。ある殉教者の下からクーフィーヤを拾って、ハサンに手を首に吊るしてもらった。彼は先に進んで、僕も彼に沿っていった。昨夜の砲撃の雨はもう終わっていた。奴らは休憩しに行ってたんだろう。休んでいる人はけして少なくなかったのだ。彼らの体は溝の地面に落ちいていて。横たわりとうつ伏せのポーズに。埃や砂利に覆われていて。ハサンはたまたま複雑に彼らの間から通っていた。健康な腕で溝の壁に縋って、一足に凭れ、もう一足を前に引っぱった。一歩進むと、一瞬、頭の中が空にでもなったように真っ白になった。体が軽くなって、殉教者になったかなと自分に言い聞かせた。ハサンは寄って来た。

 「どうした?」

 「お前は行け」

 目を開くと、星が見えた。真っ黒で星に溢れている夜。ある手に水を顔にぶっ掛けられていた。ハサンは行っていなかったのだ。どこから水が入っている水筒を見つけ、夕暮れになって、涼しくなるのを待ったのだ。そして、僕に意識を取り戻させると、夜になったという。彼は前に出て、僕が後に沿って行った。真っ暗だった。足が絶えずに、何かに引っかかっていた。いよいよ溝の果てに着くと、「どうやって登ろうか?」と聞いた。

 一手が首に吊っていて、健康な足を動かすのも苦しかった。銃剣で溝の壁に穴を開けてみた。砂利なんかに信用できるわけがない。登ろうとすると、崩れてしまう。ハサンが座って、背を壁に押した。彼の肩に足を置き、手で壁の上を捕まえて、登ろうとした。と、激痛が肩、胸や腰を走った。登って、塹壕のそばに横たわり、彼の手を捕まえようと手を伸びた。が、手が辿らなかった。溝に滑るところで、引っ込んだ。

 少し溝の中へ傾いた。ハサンは嗚咽していた。なぜかが分からない。僕か自分に哀れんでたのだろう。どちらにしても、千年間も止められた泣きでもいきなり噴出したようだった。

 「手を差し伸べろ」と叫んだ。

 彼の手を捕まえると、引っぱって、なんとなく彼を溝から出した。胸から泣きが噴き出ていて、彼は母にでも死なれたように悲鳴を上げていた。当然、話せていなかった。声が出ず、息までが詰まってしまうところだった。彼の耳を精一杯殴った。

 僕たちは原の際にいた。ハサンの言葉で言うと、眠っている地雷に溢れている原。僕は、地雷を解除することなんか出来ていなかった。習ったことはなかったもん。「お前は?解除できる?」と彼に聞いた。

 彼は先に行って、僕は後を追った。じゅうけんを地面に刺し込んだり、出したりしていた。土の中から地雷を出すと、毎回も額を地面に置いて、泣いていた。止めろと言っても、止めていなかった。やっと地雷原を通った。日が完全に出ていた。ハサンは土壌の重なりに寄りかかって、もう駄目だと言った。僕も彼の前に座った。陽射しが辿ってきていた。

 「俺をあそこで放っといていたら、お前は今ここにいなかったはずだよ」と彼に言った。

 「放っとけば、よかった」と彼は言った。

 また始め出した。肩が振るえ、涙が頬を覆った埃を分けて、息が胸に詰まったり、出たりしていた。数人の人が僕たちの方へ来ていた。

 「いい加減にしろ、ほら、つい見つかったんだ、こっちに向かってくるぞ」と彼に言った。

 「来ないといいな。俺はあいつらに付き合って行く気はない」と彼は言った。

 と、手を使って、地雷原の方に振り返った。僕は飛び込んで、彼の手首を捕まえ、「いったいどうなってしまったんだ、お前は」と怒鳴った。

 と、彼は話してくれた。溝の中に、彼に一番近い死体は友人の死体だったんだって。手が僕の手に辿るように死体を引っぱって、その上に座ったんだって。穏やかにこの話をしていたのではない。呻いて、嗚咽して、言っていたのだ。足を無くしたにも関わらず。

おしまい

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