月別アーカイブ: 6月 2013

男をなくした女

標準

著者 : サーでグ・へダーヤト

翻訳家 : 甘味屋

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PDF : 男をなくした女

男をなくした女

「女のところへ行くの?鞭を忘れるな。」とザラスシュトラが言った。

フリードリヒ・ニーチェ

朝早く、ゴルハック*のステーションにある小柄のお巡りさんが子供を抱いている女性をタクシーの運転手に見せて、こう言った。

「あの女はマザンダラン**へ行くつもりだったが、間違えてここに来ちゃった。町に連れて行って。可愛そうだよ。」

女はためらわずに車に乗った。片手で二歳ぐらいの子供を抱いて、他の手に白い風呂敷を持っていた。革シートに座って、鮮やかな顔をして、金髪である子供を膝に座らせた。車に乗っている三人の軍人と二人の女性は無関心な顔で彼女を見たが、運転手は振りかって彼女を見ることさえもしなかった。お巡りさんは車の窓のそばに来て、「マザンダランへ行って、何をする?」と聞いた。

「旦那を探しに行きます。」と女性は答えた。

「旦那をなくしたの?」

「お金も上げずに私を捨てて行ってから、もはや一ヶ月になります。」

「どうしてあそこにいると分かる?」

「彼の友達のゴラムさんがそう言いました。」

「そんな責任感の強い旦那なら、あそこからも逃げるんだろう。お金はいくつ持ってるの?」

「二トマン二千」

「名前は何と言うの?」

「ザリンコラフと言います。」

「どこの出身なの?」

「エルヴィズシャリヤルのものです。」

「旦那を探すよりシャリヤルに帰ったほうがいいじゃない?今は葡萄が熟れた頃だろう。家族のところへ行って、葡萄を食べて、楽しんで。マザンダランへ行って、迷子になっちまうぞ。おちょこちょいだし。」

「行かなければなりません。」とザリンコラフは覚悟ができたそうな口調で言って、光っていない目で何も見えずにまっすぐ前を見た。別のことを考えて、無意識に話すようだった。

「運転手さん、この女をドーラトの扉の前に下ろして、道を教えてあげてください。」とお巡りさんは運転手に向かって言った。

女性はお巡りさんに励まされたように「そう、そう。道を教えてください。あたしは異邦人です。おねがいいたします。」と主張した。

車が動き出した。ザリンコラフはまたおしおきされた犬のように光っていない目で前をじっと見た。彼女は大きい目をして、眉毛が細くて、鼻が小さかった。唇がふくよかで、頬が痩せていた。顔の肌が鮮やかだった。道中、何にも気をつけずに車の調子で動いた。彼女の子供は無口で悲しそうに潰された柘榴を手に持って、ずっと彼女の腕の中に寝ていた。

ドーラトの扉に着くと、運転手が車を止め、まっすぐシェミランの扉にたどる道を彼女に見せた。ザリンコラフは車を降りて、子供を抱いて、荷物を持ちながら、太陽の下の長い道を急いだ。

シェミランの扉に着くと、あるガレージに入って、三十分ぐらいもガレージの持ち主にお願いしたりした以上で、サリ***のお踊りまで車で連れて行かせてもらった。六リヤルも代金を払わされた。ザリンコラフは周りに人が圧迫に荷物の間に座っている大きな車のほうへ案内してもらった。その人たちは難しそうに苦労して、彼女に座る場を空けた。車はエンジンに水を入れられ、ガゾイルや焼けた油の匂いを出して、ホーンをなってから、暑くて埃っぽい道に動き出した。眺めはまず単調だったが、後は丘も山も遠くにある木も道の曲がりも見えてきた。しかしザリンコラフはまだ色あせた目で前を見ていた。何度も車が止めさせられ、客の身分証明書などが確認された。十二時ごろシャランベの近くに車の車輪が故障して、客の何人が車を降りた。が、ザリンコラフは席を奪われるのを怯えて、一切動かなかった。風呂敷を開けて、中からパンやチーズを出した。息子にチーズのサンドイッチを作ってやって、自分でも少し食べた。子供は麻薬にはまった雀のように無口でずっと寝ていた。話をしたり泣いたりする元気さえもないようだった。とうとう車がまた動き出し、何時間も経った。車がジャベルや青山を通って、森の奇麗な景色が現れた。でも、ザリンコラフはその変化を無関心で光っていない目で見て、心の中に妙な喜びを感じていた。目的地が近くて、明日、馬鹿花****の夫見つけるはずだった。彼の家はどうなのかな。彼の身内はどんな人かな。そして、彼女をどう扱うかな。彼女は一ヶ月の別居の後、馬鹿花を扱うかな。でも彼の前に力が抜けて、一言も言えないってことを彼女はよく分かっていた。馬鹿花には彼女を完璧に服従させる力があるように。おまけに彼は鞭で、そう、ロバを殴っていたあの鞭で彼女を殴ってしまうことも分かっていた。しかし、ザリンコラフはだからこそ、彼のところへ行っていた。ただ鞭で殴られる為に彼を探していたかも知れない。森の涼しい空気、魅力的な景色、遠くに働いている人たち、道のそばに立って、葡萄を食べている男、村っぽい家、その全てはザリンコラフに子供の頃の思い出を思い出させていた。ザリンコラフは馬鹿花の嫁になったのは、もはや二年前のことだった。彼を最初に見たのはある葡萄摘み日だった。ザリンコラフは毎日隣のお嬢さんのメヘルバヌ、そしてムッチュルさんとムッチュルさんの妹の太陽とべマニと一緒に葡萄園へ行って、他の村人と葡萄を摘んで、箱に重ねていた。そして箱を黒川のそばにある大きなオークの木の下まで運んで、白髭さんに預けていた。そこに馬鹿花は歌を歌って、村の娘達にも教えて、皆で歌を歌っていた。

گالش كوري آه هاي له له ، »

بويشيم بجار آه هاي له له .

اي پشته آجار ، دو پشته آجار ،

بيا بشيم بجار آه هاي له له ،

*****«. بيا بشيم فاكون تو ميخواهري

馬鹿花は彼女達の発音を訂正して、彼女達は笑って、一日は経っていた。でも、馬鹿花は娘達に人気があった理由は彼の声や歌ではなくて、彼女達、特にザリンコラフは彼の大胆さに惚れていた。ザリンコラフは彼のがっちりした体、熱い首、赤い唇、毛が生えていたその真っ白な腕、そして重い物を運んでいる彼の身軽さを見た途端、彼に惚れてしまった。それに、彼がザリンコラフに見せた愛の表情や彼らが交わした熱い目付きが十四歳のザリンコラフを愛に落とすため充分だった。彼女は胸が燃えて、化粧したりすることしていた。彼女はいつも母に罵ったり、殴ったり、ヤキモチを妬く姉達に秘密を隠したりされていた。ザリンコラフはよく男のことを考えていたのに、それは悪い考えで、諦めるべきだと分かっていた。彼女は時々隣の娘の汝女と小女とボルリに男の奇妙さの話を聞かせてもらっただけで、少し目が覚めていた。汝女に白髭さんの息子のシルザッドと自分の性関係を聞いたこともあったが、その重なっていた欲望や考えは馬鹿花の目付きで変った。足から力が抜いて、話す勇気もなかった。ただ体の一部全部が馬鹿花を求めて、彼がいない生活が無理だってことが分かっていた。あの日、ザリンコラフは伯母がお土産としてマッシュハッドから持ってきてくれた赤いスカーフを黒い髪がスカーフを超えるように被っていた。彼女の体や顔の美貌が服のお陰で何倍になり、馬鹿花は無数の娘の中に彼女だけを狙って、微笑んでいた。子供のザリンコラフが持っている論理はもはや馬鹿花の愛を疑わず、彼らの間に妙な関係があるってことを認めていた。こうなったら、どうすれば、いいの?体に非常に血が流れて、頬が燃えている感じだった。国雄の娘のシャールバヌが気付いたぐらい、彼女の頬が赤くなっていた。二人の結婚していない姉がいた上に、もっとも母に嫌われているザリンコラフには馬鹿花の嫁になる希望があったの?彼女が生まれる前に、父が亡くなり、母に縁起が悪くて、父を死なせたと言われていた。でも実は彼女の母はザリンコラフを産んでから、体が弱くなって二ヶ月も入院されたから、彼女を憎んでいた。

夕暮れのごろ、働いているものたちはもう止めて、香美のように混じっていた葡萄の枝の間から出て、黒川のほうへ行って、いつものように摘んだ葡萄を白髭に預けた。ザリンコラフは汝女と道であったグゴルと一緒に村へ帰っていた。ザリンコラフは汝女に馬鹿花の愛を話して、汝女は助けてあげると約束して、彼女を励ましてあげた。

何って大変な夜だった、あの夜は。月光が光る夜で、彼女は眠れなかった。水を飲みに起きて、その後は庭へ行った。涼しい風が吹いていた。彼女の襟のボタンが開いていたが、涼しさを感じていなかった。ドラゴンのように部屋で寝ている母の鼾が聞こえていた。もし彼女が起きていたら、必ずザリンコラフを殴るはずだったが、だからって何?既にザリンコラフの心の中に乱れていた。声を立てずに池のそばにある楡の下に行った。その時は、木、土、空、星、そして月光が彼女と話している感じだった。味わったことのない懐かしくて、楽しい感じ。彼女はよく木と水、風と中に閉じ込められている家の壁までの言葉を分かっていた。星が照れ屋のように弱くて照れていた。その全て、そしてどんな無意味のものも彼女にとって、とてつもない奇妙な秘密を含んでいた。池のそばに座って、我慢できず、泣き出した。温かい涙が彼女の頬に流れた。この細い体が馬鹿花に抱かれるために作られたのに。駄目なのなら、その小さい胸、白い腕、体全部は土に埋められたほうがいい。土の下に腐ったほうが、母の家に不幸で不毛な人生を送りながら、罵られて、老いたよりましだ。重なった悲しみを逃げるために、服を破れて、自分を土の中に埋める気分になった。その時、一生の悲しみは目の前に現れた。聞かれた侮辱も、頭を殴られたことも、人口のパンをもらって、家から追い出されて、下品な子供達と遊ぶことになったことも。ただ一日の幸せもなかった。母に言われる優しい言葉が、一言もなかった。幸いに、メヘルバヌと彼女のお母さんがいて、彼女を慰めてくれて、母に殴られるとき彼女達の家に入らせてもらっていた。ザリンコラフは袖で涙を拭って、少し落ち着いた。心が落ち着いて、理由もなく妙に楽な気分になった。目を閉じて、新鮮な空気を呼吸した。しかし、馬鹿花の姿は目の前から消えていなかった。何十キロの荷物を軽い藁のように運んで、ロバに載せるその強い腕、赤くて厚い首、そしてその拡張な髭や眉毛。彼女の平凡な世界を超えているものであった。とうとう彼女は池の水で顔を洗って、部屋に帰って寝た。でも眠れなかった。ずっと寝返ったりして、もし馬鹿花の嫁になったら、自分が実家から解放されるように、一羽の鳩を買って、解放してやると神様に約束した。それにビビサキネ様のモスクにも蝋燭を灯してあげるとまた約束した。だって星子、アブドラフ・ミラブの娘も神様に同じ約束をしたなりに、嫁になったもの。

翌朝、眠らなかった赤い目で起きて、葡萄摘みに行った。途中黒川のそばに、馬鹿花は葡萄を預かっていたオークの下に止まった。先日の葡萄の葉やロバのくそが地面に落ちていた。彼女は服の中から折紙の鶴*を木に付けた。振り返ると、メヘルバヌがそこにいた。

「どうして今日あたしを待ってくれなかったの?何してるの?」

「べつに。メヘルバヌがまだ寝てると思って、起こさないことにした。今日は朝早く家を出…」

「知ってるよ。これは馬鹿花の為でしょう。」とメヘルバヌは彼女の話を割り込んだ。

ザリンコラフは全てをメヘルバヌに語り始めて、昨夜眠れなかったことをも、神様にした約束をも彼女に言った。一緒に相談して、メヘルバヌは自分の母に話してみることになった。なぜなら、メヘルバヌの母はザリンコラフを愛しているたった一人の大人だった。ザリンコラフはどんなに待っても、馬鹿花と会わなかったが、彼は水路に働いているとメヘルバヌに教えてもらった。昼間、食事をしに家に帰ったとき、ザリンコラフは奥の部屋へ行った。ドアを閉めて、一角が割った鏡の前で髪をちゃんと櫛でといて、顔の動きを注意深く眺めた。午後、馬鹿花と会った時、奇麗に見える為にどんなふうに笑うか、どんなことをするか知りたかった。結局ただ微笑むことにした。笑ったら、あまり奇麗じゃない歯が見えてしまうから。前髪を少しお凸の前にぶらさげるように分けて、満足そうに笑った。奇麗だったもん。その長い睫、魅惑な微笑み、そしてその童顔と口のそばの皺、その全てには調和があった。更に頬の赤さや光っている唇、そしてメヘルバヌが犬のある目と呼んでいるその栄える目が美しくて、彼女が他の子を優れていた。

午後、またメヘルバヌと葡萄摘みに行った時、心の中に喜んでいた。何があっても、自分を馬鹿花に見せると決めていた。そしてその後、彼女はもっと嬉しくなった。馬鹿花がそこにいて、一日中も歌を歌ったり、冗談をしたりすることになった。ザリンコラフは前の日と違って、嬉しそうに働いていて、葡萄で占っていた。葡萄を一粒自分で食べて、一粒メヘルバヌに上げて、そしてそのまま続けて、最後の粒は彼女のものになっていたら、彼女は馬鹿花の嫁になるという意味だった。夕暮れ、オークの木の下に行ったとき、ザリンコラフと馬鹿花は何度も目付きを交わした。馬鹿花は彼女に微笑して、ザリンコラフも微笑し返していた。鏡の前に練習しといていた微笑。そして上手に顔を傾けて、前髪の数毛を可愛く目のそばに垂らしていた。四日間もこう経って、段々彼らの関係は親しくなってきた。そしてとうとう四日目にメヘルバヌは母がやってくれたとザリンコラフに伝えた。ザリンコラフはすごく喜んで、メヘルバヌの口にチュウをして、彼女の母はどうしてくれたかと聞いた。誰と話をしたかって。でも、ザリンコラフは聞く前にも分かっていた。年を取った女は経験が多くて、若い彼女が分からない方法はいくらでも知っていて、結婚を調えるぐらいが簡単にできるって。やっと希望が少し生まれていたが、問題はこれを聞いたなり、爆発して彼女を殴ったり、罵ったりする自分の母から許可をもらうことだった。なぜなら、彼女はザリンコラフの毎日の給料をいただいていた。その問題も彼女を納得させてくれたメヘルバヌの母のお陰で解決し、彼女は無数の喧嘩をした上で、ザリンコラフに赤いドレスを買ってあげた。しかし、その服のサイズを直しながら、「死ねばいいのに、このぶす。結婚式は葬式になれば、いいもの。悲しくて若いうちしぬといい。あんな下品な男を選んで」とずっと彼女を罵っていた。でも、ザリンコラフはこんな侮辱になれて、構わなかった。彼女は母に持参金として、一つの銅の鍋と小さいサモワールをもらった。メヘルバヌの母は素晴らしい宴を上げて、隣の村の人と人形のような女たちまでをも誘ってくれた。でも彼女の妹達は宴に参加しなかった。隣の村の僧をも誘って、馬鹿花とザリンコラフの結婚をおおやけにしといた。縁起が良くなるように、僧はしばらく宗教的な話をしたとき、ザリンコラフの母は「葬式になっちゃったガセムの結婚式」**の話をすると僧に頼んで、皆を泣かせてやがった。僧の話が終わると、白髭さんと息子のシルザッドは花婿の介添人になってあげた。花婿を沿って、一緒にホールに入った。花婿はマフラーに覆われている椅子に座った。そしてシルザッドは自分の父から始めて祝福のお金を拾得した。メヘルバヌも彼に手伝って、トレイでお金を拾得して、トレイを白髭さんに伸びた。彼は二トマンをポケットから出して、トレイに置いてやった。宴の音楽家は太鼓を鳴らし、「二トマンも上げてくれた。幸せになるように祈る」と大声で言った。そしてこう続けて、三十トマンも集まったうえに、楽しい結婚式であった。翌朝はザリンコラフは母と姉達に別れを告げたが、彼女の母は優しく別れ言葉を言う代わりに、撃たれた豚のように彼女を罵っただけ。その後ザリンコラフはメヘルバヌの家へ行って、彼女と彼女の母にも別れを告げた。メヘルバヌにチュウをして、ビビサキネのモスクに蝋燭を灯すことも、鳩を買って、解放することも彼女に任せた。それからザリンコラフは銅の鍋やサモワール、他の荷物を取って、下に馬鹿花がロバと待っている楡の木がある広場に行った。そして彼らは一緒にテヘランに向かった。目的地に辿るのは一日一夜も掛かった。ザリンコラフは飛びたくなるぐらい幸せで、大声で話をしたりしていた。月光が出ると、馬鹿花は力の強い腕で彼女を抱き、何回も彼女にキスをした。馬鹿花はザリンコラフの名前を縁起がいいと言っていた。なぜならマザンダランにある彼の生まれ育った村もザリンデーフ(金村)という名前だった。

彼らはテヘランに着いてから、二ヶ月も川上町に借りた小さい部屋に幸せに住んだ。馬鹿花は毎日仕事へ行き、ザリンコラフも掃除をしたり、服の穴を塞ぐようなことをしたりしていた。夜も勿論あったかい抱き合いだった。ともなって、ザリンコラフは子供の頃の思いで、母や姉達を忘れることができた。しかし…悪い友達が世の中から消えますように…三ヶ月目に馬鹿花の態度や正確が変ってしまった。毎晩も髯のレザの喫茶店で麻薬を吸って、妻にお金を上げなくなってきた。驚くことに彼は麻薬を吸うと、酔って陥るんじゃなくて、家に帰って、暴れ、鞭でザリンコラフをおしおきしていた。まずは咎めて、訳を見つけていた。それも無意味なわけ。なぜスカーフの角が破れてるとか、サモワールの電気を遅く点けたとか、昨日の夕食には塩を入れすぎていたとか。そして、先に二つの節がある黒い鞭、いつもロバを殴るあの鞭を取って、ザリンコラフの手足や腰を殴りだしていた。ザリンコラフも唸ったりして、隣人たちが来て、馬鹿花を罵ったり、説いたりしていた。その時、馬鹿花はザリンコラフに蹴りをして、鞭を棚に投げていた。でも、その後もザリンコラフの泣きや苦しみが続けていた。馬鹿花は楽しくて、部屋の隅に座って、パイプを吸っていた。そして「おい、ご飯はなんだ?」と怒鳴ってた。ザリンコラフは起きていた。鍋を持ってきて、一緒にシチューをパンのともに食べて、口をシャツの袖で拭っていた。馬鹿花は彼女の濡れてる目にチューをして、仲よくしているのは、緑と黒い花の模様の布団に入って寝るときだった。それは毎晩のこと。ザリンコラフは鞭で殴られるとき唸っていたが、実は楽しんでた。馬鹿花に対して、自分が弱いってことをしみじみと味わっていた。彼の手にキスをしたくなってしまうぐらい。その赤い頬、厚い首、力の強い腕、毛だらけの体、大きい唇と白くて硬い歯、そしてその体の匂い。そう、ザリンコラフはその納屋の匂いとその下品な態度が好きだった。これよりいいご主人をどこに見つけられるんだという感じ。九ヶ月目に、ザリンコラフは男の子を産んだ。でも産まれた子供の腹には二つの赤い線の跡があった。ザリンコラフは馬鹿花の鞭の跡だと言っていた。その子はいつも病気で、とても弱かった。ザリンコラフは子供に白髭さんの名前と同じアリって名前を付けた。

しばらく経つと、馬鹿花の商売も不景気になってしまった。一頭のロバが死んで、残った一頭も麻薬になるため馬鹿花に売られた。その後も馬鹿花は何日おき仕事に行き、とうとうザリンコラフに五トマンを上げて、二十日間ぐらい仕事を探しに行くと言った。二十日間は一ヶ月になって、更にもう数日も経った。ザリンコラフは倹約的人で、その上働いて、一二年も馬鹿花を待つことができていた。ただし彼はまだ彼女の男で、帰るってことを確認するべきだった。なぜかというと、彼女は馬鹿花が浮気な人で、女を見ると我慢できなくなってしまう男だと考えていた。だから一刻も早く彼を見つけるべきだと決断した。誰に聞いてみても、彼の居場所を分かっていなかった。そしてとうとうある日彼女はレザ髭の喫茶店へ行った。喫茶店のドアを開けると、麻薬の煙が出て、喫茶店中に酔ってる黄色な顔が見えてきた。ザリンコラフはその中にゴラムを見分けて、彼を呼んで、夫がどこにいると聞いた。

「馬鹿を探してるかい?空に上って、雪と一緒に下がるんだ(皮肉)。諦めたほうがいい。彼は故郷に戻って、結婚したんだ。餓鬼もいる。俺にもそのことを誰にも話さないと言ったんだ」

「金村?」

「そうだ」

ザリンコラフは馬鹿花が本当に彼女を騙して、故郷に戻って、結婚したってことに気付いた。なぜなら、馬鹿花はよく金村にいる家族や二人の兄、そしそこに持ってる空き地の話をしていた。馬鹿花はよく言っていた。そこに行けば、働く必要もないし。ずっと寝たり食べたりしてして、頑張らなくてもいいって。胡瓜を食べながら、壁の陰に寝るという夢をよくザリンコラフに語っていた。ザリンコラフは「じゃ、行って仕事を見つけたら」と主張していたが、彼は所詮ただの怠け者だった。こうなって、ザリンコラフは彼を探しにマザンダランへ行った。一ヶ月の期待は充分だもの。それ以上待てるわけがないもの。馬鹿花がいないってことも寂しかったし。そのあたたかい呼吸、豊富の毛が生えてる体、そしてその納屋の匂い。その全てはザリンコラフにとって快楽で、彼女は彼がいないと生きられないと思っていた。彼女は彼を欲しがって、しょうがなかった。二年間彼と一緒に住んで、そしてきゅうに一ヶ月、いや、一ヶ月以上も待たされていた。

ザリンコラフの夢は既に彼を見つけて、鞭でおしおきしたり、そしてその強い腕に抱かれ、熱くキスしたりされるってことだった。彼女は腕に残っている鞭の跡にチュウをして、それを嗅げていた。馬鹿花の頭から足までにキスをしたかった。やったことのないことを今更したいと思っていた。その森のような眉毛や箒のような汚い髭、大きな口と巨大な鼻。そんな顔を子供が暗い場所で見たら、鬼だと思って、叫ぶけど、ザリンコラフにとって最高だった。逆に実家を覚えだすと、体が振っていた。何があっても、再びあんな罵りや軽蔑の地獄に戻りたくなかった。馬鹿花は彼女の救いの天使だったかな。メヘルバヌはたった一人の愛する人だった。しかし、ザリンコラフはけしてそこに戻りたくなかった。あの老いて劣化した顔を絶対見たくなかった。エルヴィズ村に帰るより死んだ方がましだった。音楽家は彼女の結婚式で「父の家にパンや聖書があり、夫の家にあるのは棒や鎖、幸福になるのをお祈り」と歌っていたのを覚えだした。ザリンコラフは父のパンや聖書より夫の棒や鎖を選んで、実家に帰るより交差点に物乞いすることが望ましかった。そう、まだ母の罵りを覚えていた。結婚式の日、僧に「葬式になったガセムの結婚式」の話を語らせて、泣いた母を忘れていなかった。あの刺青のある骨っぽい手でオーブンを見せて「このオーブンの火に燃やされるといい…結婚式を葬式にならせるといい…」などと罵っている母の姿を覚えだすと、気持ちが悪くなった。そう…どんな困窮を味わわせられても、実家に戻るよりましだ。

だからもう馬鹿花と会えないことを考えたくなかった。彼女の光っていない目を光らせて、新しい生命力を彼女に上げれる人は馬鹿花しかいなかった。どうしても彼を見つけたかった。例え彼は再婚してしまったとしても、もう彼女を愛せなくなってしまったとしても、彼の近くにいられることだけは充分だった。馬鹿花の通る道に物乞いをすれば、少なくとも一日に一二度彼を見られるはずだった。彼に殴られて、侮辱されても、また家に帰るよりましだった。仕方がなかったもの。彼女はこう育って、こんな性格だったもの。子供のアリにたいして、別に愛などを感じていなかった。彼女の母は彼女を愛さなかったとおんなじ。でもとりあえずその子は必要だった。確か、夫婦関係が鋏なら、子供はその要ネジだと聞いたことがあった。その切り札を守るべきだった。子供を使って、消えた愛をを蘇らせられるかも知れないって。いいご飯を子供に食べさせて、果物を買ってやっていた。子供を愛せない理由の一つは、子供の髪の色が馬鹿花の髪の色し同じだってことだった。泣きを避けるため、いつも麻薬を子供に食べさせて、子供がずっと寝たりしていた。ザリンコラフは人に聞いたり、確認したりすれば、必ず馬鹿花を見つけて、彼に気持ちを表して、仲が良くなると思っていた。彼女をごまかせたことのない勘ね。

夫を探しに行くと決めた日、住んでる町のモスクに蝋燭を灯してあげると神様に約束した。それから、持参金の全てである銅の鍋とサモワールを三トマンと四ゲランに売って、その十二ゲランである店に借りたお金を返して、残りを旅のお金として使うことにした。家の道具などを帰る証拠として、大家さんに預けて、風呂敷の中に二枚のシャツや少しのパンとチーズを包んで、三日間も手続きをしてマザンダランの査証を手に入れた。その翌朝は涼しい風が吹いてる朝早く出発したが、おちょくちょいだから間違えてシェミランの方に向かってしまった。そこからまたドラットの扉に帰って、マザンダランの車に乗った。車はシャヒ・ステーションに止まった。新しく建てられた建物、そして青いカーディガンを着て、青いズボンや靴を履いている人達が見えてきた。馬鹿花とそっくり。二人の乗車がそのステーションに降りると、車がまた発車した。外は湿っぽくて、暗くなっていた。ザリンコラフは心に奇妙な喜びを感じていた。知らない町へ行くお金も何も持っていない絶望した人が感じる喜びとおんなじ。ザリンコラフはヘトヘトニなって、喉が渇いて、お腹も少し空いていた。しかし車の轟きや暗闇、そして子供の単調な呼吸の音に従って、眠った。起きたとき、既にサリの町に着いていた。風呂敷を手に取って、子供を抱いて、車を出た。町は暗闇に沈んでいた。家、芝居や木が柔らかくて儚いすすに覆われているように。ある鳥の鳴き声が遠くから、暗闇を壊してきていた。苦情の鳴き声。遠くに電気がちらちらと光っていた。ある家のバルコニー白い布を被っている女性がたっていた。しかし、ザリンコラフは周りを見ていなく、馬鹿花の声しかなにも聞こえていなくて、彼の顔しか何も見えていなかった。ある店の前に二人の人が座っていた。ザリンコラフは彼らに金村の道を聞いた。一人がサリのお踊りの近くにあると答えた。そこに水の椀があって、ザリンコラフはそれを手に取って、飲み干した。無意識に少し道を進んだ。知っている人も知っている所もなかったのに、馬鹿花は近いと分かっていたから、心が治まっていた。それにその町は親切で手厚く見えていた。カーディガンのポケットから一ゲランを出して、植物、牛乳と新鮮なパンを買って、ある家のドアの前に座って、電球の下に食事をして、子供にも食事をさせてやった。そして立ち上がって、あるボールとの下に寝た。朝早く起きて、町の広場に行った。一時間も値切ってもらおうとした後一頭のロバを四ゲランと十シャヒに借りて、ロバに乗り、金村に出発した。天気が曇りで、胸が詰まりそうなるぐい、不気味だった。おまけに子供のお凸が蚊に刺され、膨れていた。しばらくロバに座ったまま、晴れや雨を越えて、沼や腹を通った。見えてきた景色が非常に奇麗だった。緑だらけの山。鴨の腹のような灰色で白い雲が形を次々と変っていた。粉屋に着いたとき、また雨が激しく降り出した。ザリンコラフが被っている布が濡れて、彼らは木の下に避難した。ザリンコラフは情けない様でアリをぎっしり抱いて、ロバの前をじっと見ていた。心臓がドキドキと打って、馬鹿花と会うことだけを考えていた。そしてとうとう昼間に彼らは金村に入った。ザリンコラフは村の広場みたいなところにロバを降り、ポケットの中からお金を出して支払いをしようとしたが、ポケットが開いて、中にお金が入ってないってことに気付いた。まさか盗まれた?いや、誰も彼女が気付かないようにポケットの中からお金を盗めなかったはずだ。じゃ忘れていた?おちょくちょいだから?それは可能だったが、とりあえず仕方がなかった。ロバの持ち主に怒られて、支払いとして風呂敷を譲ると、彼は、ロバに乗って行っちまった。だからと言って何?彼女は既に目的を果たしていなかった?馬鹿花の近くに、彼の村の中にいなかった?たちまち馬鹿花の家を見つけ、事情を説明して、それからのことを彼に任せる。あんなお金、いくらでも馬鹿花を勝るわけがないじゃん。彼女は周りを見た。掛けの底にあるかわいそうな村だった。村は農地に囲まれ、村も村人たちも眠っているように見えていた。遠くに群れの犬が吠えて、「馬鹿花、おい馬鹿…」という呼び声が聞こえてきた。それを聞いたザリンコラフは棒立ちをしたが、呼び声の持ち主に近寄っていったのは馬鹿花じゃなかった。その家のそばに二羽のガチョウが眠って、一羽の鶏が爪で土を注意深く掘って、何かを探していた。土の上に一つの壊れた籠や胡瓜の皮があった。少し遠くに二羽の鶏が一つの脚を上げて、羽に隠し、じっとしていた。雀の鳴き声が聞こえて、なかなか新鮮そうな場所だった。村の広場に三人の子がいて、驚いた顔で彼女を見ていた。香辛料の店の前に一人の年寄りが座って、空に一線のガチョウが飛んでいた。ザリンコラフは年寄りに近付けて、道を聞いた。

「ババファロクの家はどこですか?」

年寄りはかなり高い家を指差して、「***آن سره را هارش اتا مهتابي درانه همانجوئه」と答えた。

ザリンコラフは息子を抱きなおして、希望で溢れている気分でその家に向かった。戸を叩くと、天然痘の顔をしたばばが戸を開けた。

「****كره كاردارني」

「馬鹿花と会いに来ています」

「*****وره چكار دارني」

「馬鹿花の妻で、テヘランから来ています。この子も彼の息子です」

「*خوب ، خوب ، گل ببو آن زنا را ول ها كرده وره طلاق هدائه ، بيخود گني .」とばばは答えて、家に向いて、「馬鹿…おい、馬鹿…」と叫んだ。

と、襟の開いた奴の荒い姿は眠りっぽい目でやってきた。開いてる襟から一握の毛が出ていた。大きい目をした弱くて肌の黄色い女性もやってきて、彼に粘った。彼女のお凸や腕に鞭の跡が見えていた。彼を奪われるところだという顔をして、振るえていた。ザリンコラフは馬鹿花を見ると、「馬鹿ちゃん、あたしは来ちゃったわ」と声を掛けたが、馬鹿花は彼女をじっと見て、「帰れ、帰れ、お前を知らねぇよ」と返した。

あのばばも割り込んで、「مه ريكا جانه جاچي خواني ؟ بي حيا زنا خجالت نكش ني ، ته اين وچه را مول ها كردي اما خواني مه ريكاي گردين بنگني؟**」と言った。

「おちょくちょいだろう、お前は。人違いなんだよ」と馬鹿花は主張した。

ザリンコラフは棒立ちしていた。馬鹿花ガ惚ける何って、予想していなかったもの。その態度を見て、彼女の中に憎しみが生まれ、馬鹿花への愛を忘れた。

「じゃ、自分の餓鬼を自分で育てなさい」と皮肉の笑いを出して、言ってやった。

「***اين وچه بيج تخمه ، من چه دوميه ته ورده از كجا بيوردي؟」と奴のばばはまた割り込んだ。

ザリンコラフはもうしょうがないってことが分かって、馬鹿花の顔を見た。その時まで見たことのなく、奴の顔は怒った猛獣のようになっていた。既に夢の人生に辿って、迷惑がごめんだという顔。彼女を憎い目で見て、二度と会いたくもないってことは明らかだった。ザリンコラフは仕方がないってが分かり、欲しい欲しいと叫ぶ目で弱い女の腕にある鞭の跡を見て、不本意に振り返った。カスアガは彼女の母のように骨っぽい手で彼女を脅かして、分からない言葉で罵っていた。

ザリンコラフは徐々に広場に戻っろうとしたが、途中あることに気付いた。止まって、居眠りしている子供をある家の戸の前に置いて、「ね、ここに待っててくれね、お母さんすぐ戻るから」と言った。子供は綿人形のように何も言わずにそうした。しかし、ザリンコラフは全く戻る気がなくて、子供にチューさえもしなかった。もうその子には用がなかったから。もうその子はただの負担だった。食事を必要としていたし。馬鹿花に捨てられたように、子供を捨てた。自分の母に教わった母の優しさはそうだった。もうお金もなく、荷物もなく、子供もなく、何もなくて、自由になった感じがして、深呼吸をした。広場に着いたとき、回りを見た。年寄りはまだ同じ場所でいて、居眠りをしていた。ずっと人生をその場所に送って、老いてきたように。あの三人の子供は店の近くに土で遊んでいた。みんな他の人に注意をせずに、時間を潰して、見ていなかった雄鶏が翼を開けて、かすれた声で鳴きだした。誰も彼女に気付かなかった。まるで人生は彼女のことをどうでもいいと思っていた。これから彼女はどうなる?とりあえず一刻も早く逃げて、負担の子供さえを捨てたかった。暑かった。ザリンコラフは何も分からずに、何も考えずに、道を囲まれた家の前を早く通って、村を出て原に着いたときも、あった道を取って行った。しかし、そのとき鞭を手に持って、ロバに乗っている強くて若い男の子を見た。彼の前にもう一頭のロバも歩いていた。彼が近くに来ると、ザリンコラフは彼に声を掛けた。

「かわいそうだよ、あたし」

「****چي خواني」

「あたしは異邦人だ。助けてくれる人がない。あたしをもロバに乗らせてくれない?」

彼はロバを止めて、降り、ザリンコラフを乗せた。自分は他のロバに乗って、彼女を見ないで、鞭でロバを殴った。すると、ロバは出発して、首に付いてる鐘の音を立てだした。薄の原を通るとき、その若者は傾いて、薄を一本摘み、歯で噛んで、口笛で歌いだした。馬鹿花は葡萄摘みのとき歌っていた歌だった。

گالش كوري آه هاي له له ، »

بوشيم بجار آه هاي له له .

اي پشته آجار ، دو پشته آجار ،

بيا بشيم بجار آه هاي له له .

«! بيا بشيم فاكون تو ميخواهري

ザリンコラフの一生の思い出が目の前に並んできた。若いときの思い出も、母の罵りも、馬鹿花とテヘランに行った日も、その全てが目の前を通った。喉が渇いて、お腹も空いていたが、妙に嬉しかった。何でロバに乗って、何処へ行くのかが分かっていなかったが、「この若者も鞭で女を殴る趣味があるかも知れないな…体が納屋の匂いをするかも知れないな」と思った。

おしまい

説明

* テヘランの北にあった駅 (バス停かも)

** イランの北の県の一つ

*** マザンダランにある町

**** 夫の名前の翻訳。女の名前を訳したら、「金色、あるいは黄金の帽子を被る人」になるので、そのままカタカナで書くことにした。「金帽女」って名前を作る方法もあったが、ちょっとやりすぎだと思った

***** 普通のペルシャ語じゃなくて、私も分からない。これこそは作家の目的じゃないかな

*  折紙の鶴じゃないけど、使い方と使う目的はおんなじ

** すごく悲しい宗教的話で、普通は葬式に語る話だ。とっくに誕生日とか結婚式に絶対語ってはいけないもの。ここで意地悪いお母さんがわざと縁起の悪いことをした

*** 「あの家が見える?一本の蛍光灯のある家。あそこだ」

**** 「誰に用?」

***** 「何の用?」

*  「そうかい?彼はあっちの女を離婚してるんだ。消えてまえ」

** 「うちの息子に何を?このハレンチな女、恥ずかしくないのかい?バスタードの子を産んで、うちの息子に貼り付けるつもりかい?」

*** 「お前の子は父の知らないバスタードだ。うちの息子に関係ねぇ」

**** 「どうした?」

御注意・このテキストは皮肉の表現で溢れて、理解しにくいところがあって、誤解を起こしてしまうかも知れませんが、だいたい下品な男と変態になってしまった女性の話です。作家はナチズム主義者で、女性の立場を尊敬する人です。

終わり

私たちも行っちゃった

標準

韓国 0 – 1 イラン

BRAZIL 2014

 

Team
Pld W D L GF GA GD Pts
 Iran 8 5 1 2 8 2 +6 16
 South Korea 8 4 2 2 13 7 +6 14
 Uzbekistan 8 4 2 2 11 6 +5 14
 Qatar 8 2 1 5 5 13 −8 7
 Lebanon 8 1 2 5 3 12 −9 5
Team
Pld W D L GF GA GD Pts
 Japan 8 5 2 1 16 5 +11 17
 Australia 8 3 4 1 12 7 +5 13
 Jordan 8 3 1 4 7 16 −9 10
 Oman 8 2 3 3 7 10 −3 9
 Iraq 8 1 2 5 4 8 −4 5

これこそはイラン

00

Don Carlos Queiroz ありがとうね

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Queiroz : 「狼の口へ進むしかないのだ」

く…

ソフラブ・セペーリ

標準

詩人: ソフラブ・セペーリ

翻訳者: 甘味屋

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PDF: 私は、地球の始まりに近いのだ

私は、地球の始まりに近いのだ

花の脈を取ってみるのだ

水の青い定めを、木の緑な決まりを、よく知っているのだ

私の魂は、ものの新たな傾向に流れているのだ

私の魂は、年が若いのだ

私の魂は、時々興奮で咳をするのだ

私の魂は、無職であるのだ

雨の滴を、ブリックの継ぎ目を、数えてみるのだ

私の魂は、時々事実に石のように道を妨げられるのだ

私は、仲の悪い松を見たことがないのだ

地面に自分の陰を売る柳が見たことがないのだ

ただであげるのだ

楡の枝と烏も同じだ

葉がある場所に、興奮してくるのだ

芥子のブッシュに、存在の流れに、洗ってもらっているのだ

蚊の翼のように、夜明けの重みが分かるのだ

鉢のように、育って伸びる音を聞くのだ

果物の入っている買い物袋のように、早く着きたいと思うのだ

居酒屋のように、怠慢の境にいるのだ

海際の建物のように、永遠の伸びを怯えるのだ

望むほどの太陽、望むほどの接続、そして成長があるのだ

私はリンゴ一個で結構だ

カモミールのブッシュを嗅げれば、結構だ

私は一枚の鏡で、単純な形をしたもので結構だ

私は、風船が割れたら、笑わないのだ

月を真っ二つに切る哲学に笑わないのだ

私は、鶉の羽の音を知っているのだ

キジの腹の色も、山羊の足跡も知っているのだ

ルバーブはどこに生えているのかよく知っているのだ

椋鳥がいつ来るかも鶉がいつ鳴くかも隼がいつ死ぬかも知っているのだ

人生は、快い描画だ

人生は、死のほど広い翼があるのだ

人生は、愛のほど高く跳べるのだ

人生は、習慣の棚においてあるまま忘れられるものではないのだ

人生は、摘む手の引力だ

人生は、夏の渋い口の中にある最初の黒い無花果だ

人生は、虫の目が見える木の形だ

人生は、蛍が持っている闇の中の経験だ

人生は、渡り鳥が感じる淋しさだ

人生は、橋の夢に響く汽車の笛だ

人生は、飛行機の開けない窓から、庭を観ることだ

宇宙船が宇宙に飛んで行くニュースだ

「月」の寂しさを触れるってことだ

人生は、皿を洗うことだ

人生は、溝渠に十円を見つけるってことだ

人生は鏡の「平方根」だ

人生は、花の永遠「乗」だ

人生は、地球「掛ける」心臓の動きだ

人生は、呼吸の円満の幾何学だ

 

どこにいても、いいのだ

空はわたしのものだ

窓も考えも空気も、愛も地球も私のものだ

郷愁のキノコが

時々生えても

問題ではないでしょう

私は分からない

なぜ馬が忠実だと言われているのか

なぜ誰も檻の中にハゲワシを飼っていないのか

クローバーはなぜ赤いチューリップより劣ると言うのか

目を洗うべきだ

別の観方で観るべきだ

言葉を洗うべきだ

雨の中に行くべきだ

言葉は風こそ、雨こそであるべきだ

傘を閉じるべきだ

雨の中に行くべきだ

考えや思い出を、雨の中に持っていくべきだ

町の皆と一緒に、雨の中に行くべきだ

友達と雨の中に会うことだ

愛は、雨の中に探すものだ

雨の中に遊ぶべきだ

雨の中に、書くべことだ、話をするべきだ、ユリを植えるものだ

何度も何度も濡れてしまうことこそが人生だ

人生は、「今」の池に泳ぐことだ

服を脱ぎましょう

水はすぐそばにある

光を飲みましょう

村の夜を、鹿の睡眠を計りましょう

コウノトリの巣の温かさを感じましょう

芝居の規則を踏まないことにしましょう

葡萄園に味の節を緩めましょう

月が出たら、口を開けましょう

そして夜が悪いと言わないことにしましょう

籠を持ってきて

赤みや緑を持っていきましょう

朝はパンやチーズを食べて

話の曲がりに苗を植えて

音節のあいだに沈黙の種を撒きましょう

そして中に風が吹いていない本を読まないことにしましょう

クローバーの露がない本も読まないことにしましょう

そして蚊が自然から出ていくことを望まないことにしましょう

豹が創造の範囲から外されることも望まないことにしましょう

もしミミズがいなかったら、人生に何かが欠けていたと承知しましょう

シロアリがいなかったら、木の規則が害を受けていたと認めましょう

そしてもし死がなかったら、我らの手が何かを探していたでしょう

もし光がなかったら、飛翔の論理がメチャクチャになっていたでしょう

コーラルが作成される前に海の想像が何かを欠いていたと知りましょう

そして何処にいるかと聞かないことにしましょう

病院の鮮やかなペチュニアの匂いを嗅ぎましょう

そして幸せの噴水が何処にあるかと聞かないことにしましょう

なぜ真実の心が青いのかとも聞かないことにしましょう

父の父がどんな夜を過ごしていたかなとも聞かないことにしましょう

後ろに生きている世界がない

後ろに鳥が鳴いていない

後ろに風が吹いていない

後ろに風車が全部埃で覆われている

後ろに歴史の疲労があるのだ

後ろに波の思い出が浜に後退の冷たい貝を持っていく

海際に行きましょう

海に網を投げて

そして海から鮮やかさをとりましょう

地面から砂を手にとって

重みを感じましょう

熱があったら、月光のせいにしないことにしましょう

そして死を怖がらないことにしましょう

感覚が爽やかになるようにカーテンを開けましょう

成長を庭にごろごろさせてあげましょう

本能を遊ばせてあげましょう

靴を脱いで、季節を追って、花の中に走らせてあげましょう

寂しさに歌を歌わせてあげましょう

書かせてあげましょう

散歩に行かせてあげましょう

単純になりましょう

銀行の窓口にも、木の影の中にも単純にいましょう

バラの「秘密」を見破るってことは我らの義務ではない

我らの義務はバラの「魅惑」に浮かぶことかも知れない

智恵の前に幕を建てましょう

手を葉の魅惑で洗って、御馳走に行きましょう

日が出る毎朝、改めて生まれてきましょう

感覚を飛ばして

色や音、窓や花に噴きましょう

空を「存在」の漢字の間に置いて

永久を呼吸しましょう

智恵の荷物をツバメの翼から降ろしましょう

雲に上げた名を取り消しましょう

杉にも蚊にも、夏にもだ

雨の濡れている足跡を追って

頂上の愛に上りましょう

人間や光、植物や虫にドアを開けてあげましょう

我らの勤めは、

ユリの花と世紀の間に

真実の歌に従って走ることかも知れない

ソフラブ・セペーリ

他人之子供

標準

著者: ジャラル・アレアフマッド

翻訳家: 甘味屋

 

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PDF: 他人之子供

他人之子供

 

私はどうしたら、良かったと言うの?夫は私と共に子供を養うのが嫌だった。彼の子供じゃなかったもの。私を離婚して、子供を貰わなかった元の夫の子供なんだ。そんな状況で他の人なら、どうしていたと言うの?私も生活しなければ、なれなかったんだ。今の夫も私を離婚していたら、もうどうしようもなかったじゃない。何とか子供を捨てるしかなかったわ。私のような世間知らずな女はこれしか考えられなかった。行く場所がなかったし、思いつける方法もなかった。子供を孤児院に預けられることが分かっていたが、私の子供を預からなかったかも知れない。私の事を世間にばらして、私と私の子供に恥を掛けたかも知れない。知れないでしょう。あんな風に終わっては、嫌だった。あの日の午後、やったことを隣の奥様達に話した時も、その中の一人がこう言い返した。

「孤児院などに預ければよかったのに。」

「こいつをあんなところに入らせるわけがないわ。」と私の母が言った。

私自身はそんなことを考えていたのに、隣の奥様にそう言われたとき、寒気がして、自分に「行って見なきゃ、入らせるかどうかが分からないじゃない」と怒鳴った。母にも「行ってみたほうがよかった。」と言った。

私は世間知らずで、そんなことをしていたら、何のことになったのかが分かっていなかったよ。そのときもどうせ放り出したものになっていた。あの奥様がそう言ったとき胸が苦しくなってきた。子供の可愛さが覚えだされた。耐えられなくなって、皆の前に泣き出した。でも、それは良くなかった。奥様の一人が「今更泣いてる…恥ずかしくないかしら」と呟いたのが聞こえた。そのときもまたお母さんが助けて、慰めてくれた。彼女の言っている通りだったわ。まだ青春の真ん中にいる私はどうして一人の子供の為にこんなに悲しまなければならないの?私を子供とともに受けてくれる男がいないというのに。まだ、子供を三人も四人も産めるんだ。私の最初の子供にあんなことをするべきじゃけなかったってことが分かるけど…今更どうすることもないわよね。どんなに考えても無駄だよね。私はあんなことをしたかったわけじゃなくて、夫にさせられたんだもんね。彼も悪くなかった。誘われなかった他人の子供をテーブルに見るのは嫌なのね。私も彼の立場から見ると、同じ考えだわ。彼の子供を自分の子供のように愛せる?その子供を自分の幸せの障害と見なさないことができる?その子供のにテーブルに余計な場所が空いていないと思わないことができる?彼も同じでしょう。彼も私の子供…じゃなくて、彼が呼ぶように他人の子供をテーブルに見るのは嫌だったわ。彼の家にいた二日の間も、ずっと子供の話をしていた。特に、最後の夜はずっとその話をしていた。二人で話をするんじゃなくて、彼は話して、私は聞いていただけよ。最後に私はこう言った。

「私がどうすれば、いいと言うの?」

彼はまず何も言わなかった。そして、少し考えてから「知るか?自由にしろ。ただ、俺は他人のヤロウを養う気がない。」と言った。

方法は何一つも教えてくれなかった。その夜も私と寝なかった。仲がわるくなったように。同居の三日目の夜だったのに。速く子供のことにけりをつけるように私を怯えさせるつもりだったわ。朝も出かけるとき「昼は帰ったとき、子供を見たくないぞ」と言っといて、行った。どんなに考えても、なぜあのとき諦めて、そうしたかが分からない。スカーフを頭に巻いて、夫が家を出てから、私も子供を連れて、家を出た。子供は三年ぐらいだった。自分でちゃんと歩いていた。悔しいことが、三年間もこの子を育ててやったってことだったの。悔しい。もう難しい時期が終わっていたのに。徹夜をしなければならない夜が終わったというのに。いよいよ楽の始まりだったのに。でも、しょうがなかった。バス停まで、一緒に歩いてやったわ。足に靴も履かせて、一番きれいな服を着させてやっていた。元の夫が買っていたブルーの可愛いスーツ。服を子供に着させていたとき「この服がもったいない」と思ったが、心がそうしようと決めていた。その服を預かってどうする?また子供を授かったら、夫が服を買ってやれば、いいじゃない。子供に服を着させて、櫛で髪をとかした。とっても奇麗になっていた。子供の手をつないで、ゆっくり歩いていた。もういらいらして、速く歩きなさいと怒る必要がなかった。二三度、御菓子を頼まれたが「車に乗ってから、買ってあげるの」と答えた。あの日も相変わらず子供にいろんな質問を聞かれていたと覚えてる。ある馬は脚が水路に滑っていて、人が大勢集まっていた。見るように上げてやるとしつこく頼んだ。上げてもらうと、馬の血が出ていた脚が見えた。子供が降りたとき、「ウマがアシをわるくしてた?」と聞いた。

「そうよ。母ちゃんの言うことを聞かなくて、足を悪くしちゃったんだ。」と答えた。タクシーステーションまでゆっくり歩いた。まだ朝で、賑やかだった。三十分ぐらい待って、タクシーに乗れたわ。子供がうるさくて、いらいらしていた。タクシーに乗る前に二三度も「まだクルマにのれないなら、オカシをかおう。」と頼んだ。私はもうすぐ車に乗ると言って、車に乗ってから、御菓子を買うと約束した。王の広場にタクシーを降りるまでもべらべらとくだらない質問をしていた。一度「ママ、どこにいくの?」と聞いたと覚えている。私はなぜかつい「パパの所へ行くのよ。」と答えた。子供はしばらくじっと私の目を見て、「パパって?」と聞いた。

私はいらいらして、「うるさいわね。もう御菓子は買わないよ。」と言っちゃった。悔しい。こんな事情こそが悔しい。何で最後に可愛い子供を怒ったかな。家をでるとき、絶対怒らないと決めていたのに。殴ることも、叱ることもしなくて、優しくしようと決めていたのに。今考えてみると、本当に悔しい。どうして、あんな風に子供を黙らせてしまった。子供はもう何も聞かなかった。運転手の弟子がやっている真似を見て、笑っていた。王の広場にタクシーを降りたとき子供はまだ笑っていた。広場に人が大勢で、バスも沢山あった。私はまだ怖くて、何もできていなかった。しばらく広場の辺に歩いた。三十分ぐらいかな。バスは少し少なくなっていた。私は10王玉(シャヒ)を出して、子供にやった。子供は何も分からず、じっと私を見た。お金をもらうことに慣れていなかったもんね。私は何を言えばいいのかが分からず、広場の向こうにカボチャの焼き種子を売る販売者を子供に見せて、「はい。自分で買ってきて。私は見て、感心するからね。」と言った。

子供は私を見て、「ママといこう」と言った。「ううん。私はここから見てるから、自分で買えると見せてきてね。」と言い返した。子供はまたお金を見て、どうやってものを買うのかが分からないようで、迷っていた。そんなことを子供に教えたことがなかったもんね。じろじろ私を見ていた。胸に迫ってきた。とっても心が苦しくなって、諦めるところだった。子供が行って、私は逃げたときから、悲しくなって隣の奥様達の前に泣いたあの午後もあんな激しい苦しみを感じなかった。なんって目だった。子供は何かが気になって、私に聞いたかったように私を見ていた。どうやって、我慢したのか分からない。もう一度カボチャの焼き種子を売る販売者を指差して、「頑張ってね。このお金を上げて、焼き種子下さいと言って。はい、行ってらっしゃい。」と催促した。子供は焼き種子を売る販売者を見て、言い訳を言うように「ママ、ヤキシュシはイヤだ。ホシブドウがだべたい」と言った。もう限界だった。もし子供はもう少し迷っていたら、もし泣いていたら、私は諦めていたはずだ。しかし子供は泣かなかった。いらいらして、「干し葡萄もあるわ。ぐずぐずしないで、速く買ってきなさいよ。」と怒鳴った。子供を上げて、水路の向こうの通りに渡らせた。子供の背中を押して、「はい、遅くなっちゃうわ。速く行ってきて。」と言った。通りはあまり賑やかではなかった。見るかぎり、馬車もバスも来ていなかった。子供は二三歩行ったところ、振り返って、「ホシブドウもあるのね」とまた聞いた。

「そうよ。10王玉、干し葡萄下さいと言って。」と答えた。子供は通りの真ん中に付いたとき、急に車のホーンが聞こえてきて、身振りがした。無意識に通りに走った。子供を抱いて、歩道に戻りこみ、大勢の通行人の中に隠れた。すごく汗をかいていて、息切れだった。子供は「ママ、なにがあったの?」と聞いた。「大丈夫よ。お前がゆっくり歩いて、車が速く来て、危なかった。」と言って、泣きそうになった。抱いていた子供は「こんどはやくいくから、ママじめんにおろしてくれ」と頼んだ。子供はこれを言ってなかったら、何をしに来たかが忘れていたはずだ。でも、子供がそう言ったとき、何をしに来たことも、しなければ夫に叱られることも覚えだしてきた。最後のチューをして、子供を地面に下した。そしてその耳に「車が来ないうちに、速く行ってきて。」と囁いた。通りには車が走っていなかった。今度は子供が速く走っていて、転んでしまうことを心配していた。子供は通りの向こうに付いたとき振り返って、私を見た。私はもう帰るところだった。子供が振り返って、私を見ると、私は棒立ちになった。ちょうど盗むところ捕まえた泥棒のように。動けていなかった。元の夫のポケットの中を探るのを入ってきた彼にばれたときのように。そのときのように棒立ちになっていた。またかいた汗で濡れた。顔を下げて、また顔を上げたとき子供は行って、もうはやカボチャの焼き種子屋の前にいた。私はもうやるべきことをやっていた。子供は無事に通りの向こうに着いていた。もう子供いなかったときのようになって、最後に子供を見たのは他人の子供を見ているような感じだった。他人の可愛い子供を見ているように自分の子どもを見ていた。他人の子供を感心するように自分の子供を感心していた。急いで大勢の通行人の中に入り込んでいった。しかし、急に怖くなってきた。ひょっとしてずっと私を見ていた人がいるかも知れないって。この考えで体の毛が立って、慌てて速く歩き出した。次の路地に曲がって、逃げるつもりだった。もう路地に着くところだったとき、私の後ろに大通りでタクシーがブレーキをかけた。びっくりして、心臓が止まりそうになった。ばれて、捕まえたような気がした。体が骨まで冷えて、ずっと私を睨んでいた警官はタクシーを降りてくると思った。我ながら驚くことに勇気を出して、振り返ってみた。よかった…乗客たちがお金を払って行っていた。深呼吸をして、もう何も分からず、何も見えず、無意識にタクシーに乗り込んで、ドアをドカンと閉めた。運転手は文句を言いながら、車を走らせた。ずいぶんあの場所を離れたとき、タクシーのドアを開けて、挟まったスカートの端を取って、またドアを閉めた。そして安心して、ゆっくり背中を席に下した。夜はタクシー代さえも夫にもらわなかったけど。