月別アーカイブ: 12月 2013

偉丈夫

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著者 : ファーテミ・ホセイン

翻訳家 : 甘味屋

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緊縛や奴隷制の重い鎖を破ろうとしている社会と国民にとっては、このような苦しみや命を落とすこと、そして犠牲を払うことはいかにも普通で日常的なことに思われるべきである。どのイラン人の若者の胸にも永遠に燃えるべき唯一の聖なる炎は、社会を解放して、国を植民地支配、貧困や不幸、そして残虐と弾圧の爪から救う道に命を懸けるという純粋なる立派な夢・目標である。

死は二種類である。居心地のいいベッドの中の死、そして自尊心と誇りの為の死。不徳と戦う道に命を落とすことを私は神様に感謝しておる。この道に命を落として、植民地主義に襲われて、虐げられた国民に対して恩に着ることを神様に感謝しておる。運動の戦士どもの各々方が戦い続けるとお祈りする。

便所怪談

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ことの始まりは今年の夏だった。修士一の論文のテーマを決めて、大規模の研究を始まった時。今考えてみると、それは恐ろしい事実を悟る第一歩であった。後悔はしていない。何せ事実を知るのは無知でいるよりましだ。

私は「日本之便所」を論文のテーマにして、どんどん取材した。その取材の中にかすかすの奇妙な情報が混じっていた。そう、パズルのピースのように。私がそのパズルのピースを全て集めるのは不思議で、運命だと言いたいところだが、ピースが全て集まった証拠はない。果たして私は事実の真のおぞましさが見えるでしょうか。

畳敷きの部屋の真ん中に、四角い穴がある。で、部屋は陰に溢れていて、薄暗い。ピカピカするものがあってはいけない。その神秘な薄暗さはその空間に肝心なのだ。まるでその空間は生きていて、有機的物だ。それはそうだ。何せ人間が作った子宮なのだ。人間は生まれて以来、子宮に戻るという衝動に迫られている。暖かくて暗いあの安全な場所に戻りたいって。胎児が与えてもらう愛は母親からだけではなく、子宮そのものからである。子宮は子供を愛して、守り、そして養うために存在するものなのだから。人間は永遠に子宮に恵まれなくて、それは悔しくて悔しくて、無意識に人工的子宮を作って、それを便所と名付けたという。

人間は便所に通う毎回も生まれ変わり、永遠に生まれる経験を繰り返す。なぜなら、便所で用を足せても、養ってもらえなくて、生まれるしかない。哀れ哀れ。

「雪隠の鬼」や「厠の神」の伝説も、「ピカピカする便器が嫌」という気持ちも、出産と便所が仏教に非難されるのも、全てこの悲劇に因る。禍々しくて、堪らないでしょう。

母君の聖なる愛

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著者 : イラッジュ・ミルザ

翻訳家 : 甘味屋

PDF:  母君の聖なる恋

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恋に落ちた男にこう伝えた恋人

君の母は、あたしを迫るんだと

いつもあたしを見ると

顔を歪んで睨むんだと

ひどくておぞましい視線で

あたしの細い心に矢を討つんだと

君の意地悪な母は生きているかぎり

甘味もあたしたちの口に毒になり

君を愛して、親しくなるのは無理

彼女の心臓を血で彩ってもらわないかぎり

あたしたちの愛を実らしたければ、

たちまち行って、迷わず、あの胸を破り

狭い胸から、彼女の心臓を出しな

あったかいあれをあたしに渡しな

あれであたしの心のさびを落としな

恋に落ちた奴は愚かでな

腐っていて、恥知らずでな

母君の聖なる愛を忘れてな

酒に酔って、罪に狂った

さっそく行って、母を地面に落とした

胸を切って、彼女の心臓を出した

その後、恋人の家に向かった

母の心臓を蜜柑のように持っていて

家を出るとき、つい、転んで地面に落ちた

彼の腕が少し傷ついたんだ

まだ生きているあったかい心臓が

あのあほの手から抜け落ちたんだ

傾いて、拾おうとしたが

血まみれの心臓から優しい音が聞こえたんだ

ああ、息子の手が傷ついてしまったって

ああ、息子の足が石にぶつけられてしまったって